キレイライン公式ブログ担当の小田です。
永久歯が生え始める6~12歳くらいの「歯の生え変わり時期」のお子様の歯みがきは、正解を見つけるのがとても大変。
「生えかけの歯や抜けた歯があってガタガタして磨きにくい。」
「仕上げ磨きを嫌がり始めた。いつまでやるべき?」
「いつから大人と同じ歯ブラシにしたらいい?」
など、疑問や不安もたくさんありますよね。
「子供の成長に合わせてできるだけ最適な方法を選び、むし歯の無い歯を守ってあげたい」
そう思うものの、正解がわかりにくく悩んでしまう…そんな方もいるのでは。
でも、パパさん、ママさんをはじめとした保護者のみなさん。ひとりで悩むことはありません。歯の生え変わりの時期の正しい歯みがき方法から気になる疑問まで、この記事で一緒に解決しましょう!
また、乳幼児期0~6歳のお子様の歯みがきについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
歯みがきをいつから始めるか、歯みがきのステップアップ方法、仕上げ磨きのポイントなど、乳歯期に気になるポイントを歯科衛生士さんに聞いてきました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
歯の生え変わり時期の歯磨きは悩みがいっぱい
6~12歳のお子様は乳歯が抜け、永久歯が生えてくる「歯の生え変わり時期」。
おおよその生え変わりの順番は決まっているものの、生え変わりする年齢は個人差が大きいため、生え変わりの状態を保護者の方がよく観察してあげることが大切です。
この時期のお子様はどんどん成長して、日に日にお口の中の状態も変わってきますよね。
✓ 数本だけ永久歯が生えているが磨き方は今までと同じ?
✓ 抜けかけの乳歯がグラグラしていて歯みがきの時に痛がる
✓ 乳歯が抜けたところに空間があり磨き方が難しい
…など、歯みがきの疑問や悩みも、成長とともに変化していきます。
この項目では、歯みがきのポイントや注意点に着目しながら、「歯の生え変わり時期」によくある悩みを解決しましょう。
生え変わり時期の歯は磨きにくく虫歯になりやすい
歯の生え変わり時期は、とてもむし歯になりやすいのが特徴。理由を見てみましょう。
- 歯の大きさが違う乳歯と永久歯が入り乱れ、段差や隙間が多く磨きにくい
- 生えたばかりの永久歯はまだ歯の表面のエナメル質がやわらかく、虫歯菌の酸に弱い
乳歯と永久歯が混在している「混合歯列期」は、どんなお子様でも歯の大きさがバラバラで、とても歯みがきが難しい時期です。
磨き残しが起こりやすいうえ、乳歯やできたての永久歯はやわらかいのでむし歯になりやすいという2つのリスクを抱えています。
この時期の歯を守るためには、正しい歯みがきと、フッ素を活用することが大切。
フッ素入りの歯磨き粉を選び、強い歯づくりに役立ててください。
歯科クリニックで、高濃度のフッ素を用いたフッ素塗布を定期的にすることも虫歯予防に効果的。お子様のフッ素塗布について詳しく知りたい方はこちら。
さらに、
「永久歯がなかなか生えてこない」
「乳歯が抜けていないのに、永久歯が生えてきてしまった」
「すきっ歯なんだけど、このままでいいの?」
など、歯の生え変わり時期の疑問についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
いつまで続ける?仕上げ磨きの卒業時期
結論から言うと、永久歯が生えそろう10~12歳くらいまで仕上げ磨きをするのが理想です。
体の成長とともに、自立心が育ってくるこのころは、仕上げ磨きを卒業するタイミングにも悩みますよね。
- 成長とともに、仕上げ磨きを恥ずかしがるようになってきた
- うちの子はもう小学校高学年。自分のことは自分でできるし、仕上げ磨きは不要では?
など、「そろそろ仕上げ磨きをやめてもいいのでは?」と思うことも増えてきます。
「自分でやりたいという気持ちを邪魔したくない」という方もいるはず。しかし、このような理由から永久歯が生えそろうまでは仕上げ磨きをすることをおすすめします。
- 小学校高学年まではひとりで正しく磨くのは難しいため、仕上げ磨きでサポートし、子供のむし歯の発生を防ぐ
- 生え始めの永久歯はやわらかくむし歯に弱いので、むし歯の原因となる歯垢を仕上げ磨きできちんと除去する
- 乳歯と永久歯が混在し、大きさや段差が不揃いで磨きにくいため、大人目線での磨き残しチェックが必要
できたつもりになっている子、面倒くさくてきちんと歯みがきをしない子もいる時期なので、1日1回はしっかり確認し、磨き残しを取り除いてあげましょう。
子供の成長は早いもの。永久歯が生えそろう頃には、お子様自身で上手に歯みがきができるようになってきます。
それまでは仕上げ磨きを「親子の大切なスキンシップ」として、むし歯の無い歯を守ってあげてください。
小学生のうちは親の見守りが必要な理由
仕上げ磨きだけでなく、「子供のひとり磨きを見守る」こと自体が、この時期のお子様にとても大切。
- 歯ブラシをくわえたまま転んでしまうなど、事故の防止
- 磨き残しだけでなく、お口の中の異変や、永久歯の歯並びのチェック
歯ブラシをくわえたままの転倒はとても危険。歩きながら磨くのはやめましょう。大人の真似をしたがる年齢なので、保護者の方も歩きながらの歯みがきはやめましょう。
また、磨き残しチェックとともにお口の中に異変がないかも確認し、何かあればすぐに歯科クリニックに相談することも、健康な歯を守ってあげることにつながります。
また、「歯周病」は大人の歯茎トラブルという印象がありますが、歯周病の1つである歯肉炎は子供にも起こります。
歯肉炎とは、歯茎が腫れや出血を起こすこと。
主な原因は磨き残しによる歯垢(プラーク)の蓄積です。歯垢内部に潜むばい菌が繁殖して、毒素を排出することで炎症を引き起こすのです。
歯並びが悪いと歯が重なった部分や隙間があり磨きにくく、どうしても磨き残しが多くなり歯垢が蓄積しがちです。
「混合歯列列期の歯みがきで注意すべきこと」の項目で詳しく紹介していますので、あわせてチェックしてみてください。
小学校低学年~高学年までの歯磨き方法
歯が抜けはじめる6歳ごろの「小学校低学年」から、永久歯が生え揃う10~12歳ごろの「小学校高学年」までの、歯みがきの仕方・コツなどを紹介します。
歯磨き前に歯ブラシの正しい持ち方をチェック
まずは歯ブラシの持ち方の確認から。歯ブラシの使い方や磨く手順に慣れるまではパームグリップで磨き、慣れてきたらペングリップで磨けるようにできると理想的です。
◆パームグリップ◆
歯ブラシのハンドルをグーで握るようにする持ち方。
まだ力が弱いお子様でもしっかり握れ、磨きやすい方法です。力の調節が上手くできないうちは、この持ち方からチャレンジしましょう。
慣れてくると、ブラッシング圧が強くなりすぎることも。毛先が広がりつぶれてしまい、正しく磨けないことにつながります。毛先が広がらない程度の力で、優しく歯にあてて磨きましょう。
1~2週間で歯ブラシの毛先が広がってしまうお子様は、力加減に注意してあげてください。
◆ペングリップ◆
鉛筆を持つようにして、歯ブラシのハンドルを指先で握る持ち方。
細かく動かせるので狭い隙間などが磨きやすい方法です。力が入りすぎず、ちょうどいい力加減で磨けるので、慣れてきたらペングリップで磨くのがおすすめ。
しかし、力の弱いお子様では毛先がブレてしまうことがあります。脇を締めて持つと安定しやすくなりますよ。
生え変わり時期の歯磨き手順
生え変わりの時期を「永久歯が生え始めるころ」と「永久歯が生えそろうころ」に分け、それぞれの時期の歯みがきで気を付けたい、基本の手順やポイントを確認しましょう。
永久歯が生え始める6歳ごろ【小学校低学年】
永久歯が生え始めたら、「食後は必ず歯みがき」を習慣づけましょう。
磨き残しが無いよう、奥歯から順にいつも同じ順番で磨いていきます。
歯の表面は歯ブラシが垂直に、歯茎との境目は45度になるように当て、歯ブラシの先がつぶれない程度の力で磨きます。歯1~2本ずつ歯の表と裏、咬み合わせ部分をそれぞれ20回以上磨き、歯並び全体を3分以上かけて磨くことを目標にしましょう。
特に、永久歯で一番最初に生えてくる奥歯「第一大臼歯(だいいちだいきゅうし)」は、完全に生えるまでに時間がかかり、段差ができるためどうしても歯ブラシが届きにくくなります。
お口の前から歯ブラシを入れるのではなく、横から入れて、できるだけ直接歯ブラシが届くように第一大臼歯を磨きましょう。
また、乳歯が抜けたところは両隣の歯に歯垢がたまりやすくなります。
歯が抜けた空間に横から歯ブラシを差し込むようにして、両隣をしっかり磨きましょう。
このころはまだ仕上げ磨きがメインと考えつつも、ひとり磨きが上手にできるよう磨き残ししやすい箇所を教えることで、サポートしてあげてください。
永久歯が生えそろう10~12歳ごろ【小学校高学年】
永久歯が生えそろうこのころは、歯の磨き方や気を付けたいポイントは大人とほぼ同じ。
特にこのころのお子様で注意したいことは、「歯の隙間」についてです。
永久歯が生えそろうころになると、乳歯のころとは違い歯の隙間が狭くなり、歯間に食べものがはさまったり歯垢がたまりやすくなったりすることも。
【小学校低学年】の磨き方に加え、お子様自身でもデンタルフロスを活用して、歯の隙間の歯垢もしっかり取り除きましょう。
仕上げ磨きの時に活用するならば、上下の乳歯がある程度生えそろう2歳ごろから使ってあげると虫歯予防に効果的です。
「デンタルフロス」を使うと、歯ブラシだけのケアに比べ歯間の歯垢除去率が大幅にアップしますよ。詳しくはこちらの記事をチェックしてみてくださいね。
また、1つの毛束からできておりヘッドがとても小さい「タフトブラシ」も、すみずみまで磨くのにとても便利なアイテム。
歯の隙間や奥歯の溝、乳歯が抜けた両隣の歯など、「歯ブラシだとヘッドが邪魔になりなかなかブラシが届かない…」という磨き残しやすいところでも、タフトブラシならしっかり届いて磨きやすいのです。
タフトブラシについては、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。
仕上げ磨き・点検磨きのコツ
永久歯が生えそろう10~12歳ごろまで行うのが、仕上げ磨きの理想。
長い期間行うことになるため、こんなポイントに気を付けながら行うのがおすすめです。
- 子供を寝かせて頭を大人の膝の上に乗せる「寝かせ磨き」が安定しておすすめ
- 歯並びがデコボコしているところは歯ブラシを縦にして汚れをかき出すようにする
- 奥歯の溝に歯垢がたまりやすいので、丁寧に磨く
- 歯ブラシだけでなく、デンタルフロスやタフトブラシも併用するのがおすすめ
さらに詳しい仕上げ磨きの方法は、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。
このころには「自分で歯みがきできるのに、大人に仕上げ磨きされるなんて恥ずかしい!」というお子様も出てきます。
そんなお子様に対しては、あくまで自立心を尊重しながら磨き残しの掃除をしてあげてください。
永久歯はまだまだ生え始めで、むし歯に弱い状態。
このころむし歯をつくらせないことが、今後の歯の健康にとても大切です。
ひとり磨きが上手にできているかのチェックポイント
ひとり磨きの磨き残しチェックは、次のような場所に注目。
磨き残し要注意ゾーンです。
✓ 歯と歯の隙間
✓ 奥歯の咬み合わせの溝
✓ 歯と歯茎の間
✓ 乳歯と永久歯が混在して高さが違う部分
✓ 歯並びが悪くガタガタしているところ
✓ 乳歯が抜けた両隣の歯
しかし、実は歯垢は歯と同じような乳白色をしており、大人でも見ただけで磨き残しを判別するのは難しいのです。そこで活用してほしいのが、「歯垢の染め出し液」。
歯垢を赤く染めて、磨き残しが可視化できるので、磨き残しチェックに役立ちます。普段の歯みがきがきちんとできているか、お子様自身も確認できるので歯みがきに対するモチベーションアップにもつながりますよ。
子供用の歯ブラシ・歯磨き粉・フロスの選び方
「子供用の歯みがき関係のアイテムは、どんなものを選ぶのが正解?」
気になる選び方について、確認しましょう。
子供の歯ブラシの選び方
- ハンドルは長めでまっすぐ
- ヘッドは小さめで薄い
- 毛の硬さは「ふつう」で、毛先は「平ら」
6~12歳のお子様の歯ブラシは、ハンドルは奥歯までしっかり届くよう、まっすぐで長めものを選びましょう。転倒事故の被害を軽減するためにハンドルが太くて短めのものもありますが、永久歯が生えてきたら「歩きながら磨かない」ことを習慣づけましょう。
ヘッドはコンパクトなものを選ぶと、お子様の小さなお口でもすみずみまで磨きやすくなります。さらに歯垢をしっかりかきだせるよう「やわらかめ」ではなく「ふつう」の硬さで平らな毛先がおすすめです。
子供の歯磨き粉の選び方
- 1000ppm程度のフッ素が配合されている
- フレーバーつきなど楽しく磨ける
- 泡で上手く磨けない子は、発泡剤が含まれていないもの
生え変わり時期のお子様の歯はまだやわらかくむし歯になりやすいので、フッ素配合の歯磨き粉を活用するのがおすすめ。
フッ素は歯質を強化し、酸に溶けにくい歯にしてむし歯への抵抗力を高めます。
15歳以上は1500ppmのフッ素濃度まで使用できますが、6~14歳までのお子様は1000ppmを超えないアイテムから選びましょう。
市販品のお子様向け歯磨き粉は、1000ppmを超えないように950ppm程度の商品が多く揃っています。
子供のデンタルフロスの選び方
- 子供でも使いやすいホルダータイプ
- F字型とY字型、両方あると歯垢除去に効果的
- とがったところが無い安全なもの
- フレーバーつきのもの
デンタルフロスには、糸がホルダーに装着された「ホルダータイプ」と、必要量を引き出して指に巻きつけて使う「ロールタイプ」があります。
お子様にはまだロールタイプを使うのは難しいため、ホルダータイプから選ぶのがおすすめ。
前歯の歯間清掃に向いているF字型と、奥歯の歯間清掃に向いているY字型がありますが、両方あるとお子様自身が使いやすさで選べるので便利です。
F字型は大人向けのものだと片方が尖ってピック(爪楊枝)の形状になっているものがありますが、お子様は歯茎を傷つけてしまう心配があるため、とがったところが無いものを選びましょう。
お子様向けのフロスには、フルーツのフレーバーが付いた商品も。楽しく習慣づけられるよう、活用してみるのもおすすめです。
混合歯列期の歯磨きで注意すべきこと
永久歯の虫歯予防には、この時期からの本気のケアが大切。お子様自身の美しい歯を、できるだけ生涯にわたり28本全て使っていけるようにしてあげたいものです(※)。
そのために今からできることを、チェックしましょう。
※第三大臼歯(親知らず)は除く
フッ素を活用した予防歯科
むし歯になる前の予防を徹底する「予防歯科」。
生えたての永久歯はやわらかくむし歯に弱い半面、フッ素の取りこみ量が大きいので歯質強化につなげやすい時期でもあります。
ぜひこの時期はお家のケアでフッ素入り歯磨き粉を活用するとともに、歯科医院で行うフッ素塗布も活用してください。
フッ素塗布について、詳しくはこちらの記事をチェックしてみてくださいね。
仕上げ磨きで歯並びをチェック
歯が重なっていたりすきまが空いていたりと、歯並びが悪い部分はどうしても磨き残しが起こりやすいもの。磨き残しはむし歯の発生リスクを高めます。
仕上げ磨きの時に「歯並びが悪くて磨きにくいな」と感じたら、悪い歯並びが成長による一過性のものなのか、爪噛みや口呼吸などの悪習癖によるものか、骨格によるものか、歯科クリニックに相談してみるのがおすすめです。
Q.爪噛みや口呼吸で歯並びが悪くなるの?
A.意外と知られていないかもしれませんが、指しゃぶり、爪噛み、舌で遊ぶクセ、口呼吸(ポカン口)などは、お口まわりの悪いクセ=悪習癖と呼ばれ、お子様の永久歯の歯並びを悪化させる原因になります。
そのため、永久歯が生えそろう前に改善しておくことが望ましいとされていますが、早めに歯科クリニックを受診すると「成長の力を借りながら、悪習癖を改善する方法」を提案してもらえることも。
たとえば、『キレイラインKIDS』がそのうちのひとつ。
キレイラインKIDSは、お口周りの筋肉バランスを整えて悪習癖を改善し、永久歯がキレイに生えそろう土台作りをする、3歳~12歳のお子様専用治療プログラムです(※)。
※初診時年齢は3歳~11歳、3歳~5歳は反対咬合の症状のみ適応。顎関節に症状があるお子さまは適応外です。
※キレイラインKIDS適応外と診断されても、年齢や症状によっては他の治療法のご提案が可能な場合があります。詳しくは提携クリニックにご相談ください。
※近い年齢で初回検診の受診を強く希望される場合は、予約フォーム内【その他・ご希望等】に記入のうえ、提携クリニックとご相談ください。
「口呼吸の癖が、歯並びに関係しているのかも…」
そんな不安があったら、ぜひ一度初回検診でお話を聞かせてくださいね。
小学生のうちに正しい歯の磨き方を覚えさせよう
大人になってもキレイでむし歯の無い歯をキープするには、子供のころからの「正しい歯みがき習慣」がとても大事。
特に歯の生え変わりの時期はむし歯になりやすいので、お子様本人が正しい磨き方を理解してきちんと磨くことを「当たり前」にできるようにしたいですね。
保護者の方は、仕上げ磨きでキレイな歯をキープするためのサポートをしてあげてください。
家族全員が予防歯科に気を配ることも大切。
大人がよい見本になれるよう、保護者の方も虫歯予防に努めましょう。
大人も子供も、自分の大切な歯を守っていい笑顔になれるすこやかな毎日にしましょうね。
※本記事は2022年1月時点での公式情報を元に編集したものです。最新の情報とは異なる可能性がありますので、ご注意ください。