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【フッ素塗布】子供にフッ素はいつから?料金や虫歯予防効果を持続させる方法・頻度も紹介

最終更新日: 公開日:
この記事を監修した医師
井上盛一先生

井上盛一先生

愛歯科クリニック 院長

【経歴】
朝日大学歯学部卒
都内近郊歯科医院勤務
令和元年 「愛歯科クリニック」開院

愛歯科クリニックのキレイライン矯正予約ページはこちら

キレイライン公式ブログ担当の小田です。

フッ素塗布と聞くと、なんとなく「歯科医院で行う特別な処置」というイメージがありますよね。

乳幼児に定期的にフッ素塗布を行った結果、全く実施していない子供に比べむし歯がほぼ半減したというデータもあり、フッ素塗布には、高いむし歯予防効果があると言えます。

しかし、実際に自分の子供に受けさせるとなるとわからないことだらけ…。

「やった方がいいのかな。うちの子にも必要?何歳からやるべき?」

「フッ素は市販の歯磨き粉にも入ってるし…それでいいんじゃない?わざわざ歯医者さんでやるのと、何が違うの?」

など、知っておきたいことがありますよね。

そこで今回は、「フッ素塗布」についての基本的な情報から疑問、歯科医院でのフッ素塗布や自宅でのケア方法までくまなくご紹介。

むし歯を予防し、強い歯を作るための素晴らしい味方「フッ素」についてたくさん知って、お子様の健康で美しい歯を守りましょう!

もしかすると、「フッ素って危険って聞くよ…大丈夫なの?」と心配な方もいるかもしれませんね。

確かに「フッ素」単体では強い毒性があるものの自然界には存在せず、歯科医院のフッ素塗布や歯磨き粉などに入っているフッ素は、他の成分と結合した無機の化合物「フッ化物」の状態に変化しています

むし歯予防に使われるのはフッ化物の中でも安定し、安全性の高い成分です。

心配な方は、先にこちらをチェックしてみてくださいね。

むし歯予防に使われるフッ化物にはいろいろな種類があるので、今回はわかりやすいようにまとめて「フッ素」として話を進めます。

子供の虫歯予防に効果ある?フッ素塗布「3つ」の役割

実はフッ素はいろんな物質にくっつきやすい性質があり、地球上のいたるところに存在しています。食べ物や飲み物にも微量ながら含まれていて、私たちの歯や骨を丈夫にするのに役立っています。

しかし、普通の食事から摂れるフッ素では、むし歯予防に役立つほどの量にはなりません。そこで歯科医院でフッ素を塗布したり、日常のケアでフッ素をプラスしてあげることが、むし歯予防に大切なんですね。

どんなふうに虫歯予防に役立つのか、フッ素の詳しい効果を見ていきましょう。

フッ素の効果:①再石灰化の促進

主なフッ素の効果を3つ、チェックしましょう。

虫歯菌が生み出した酸が歯を溶かすことを、脱灰(だっかい)と言います。脱灰により、歯はカルシウムやリン酸などのミネラル分を失い、エナメル質の結晶構造がもろくなっていきます。脱灰が進むと、むし歯へと進行するのです。

その脱灰から歯を守る仕組みが、再石灰化(さいせっかいか)唾液中のミネラル分を補給し、もろくなったエナメル質の結晶を補修するはたらきのことをいいます。

すり傷などの軽いケガをしても自然治癒するように、歯に穴が開く手前の初期虫歯までなら、再石灰化の力で治すことも可能です。

フッ素はこの再石灰化を促進し、歯の修復をサポートします。

フッ素の効果:②歯質の強化

乳歯や生えたばかりの永久歯は、まだ歯の表面のエナメル質「ハイドロキシアパタイト」が弱くやわらかい状態。ダメージを受けやすく、むし歯になりやすいのです。

再石灰化を繰り返すことで結晶の間が密になり、徐々に強い歯に育っていきます。そこで、さらに強い歯にするために「フッ素」が重要!

歯質強化につながる再石灰化を促すだけでなく、フッ素を取り込んだ「ハイドロキシアパタイト」は、酸に強いエナメル質「フルオロアパタイト」に変化するのです。

フッ素を活用することで、より「むし歯に負けない、抵抗力の強い歯」にしていくのに役立ちますよ。

他にも大人の歯の場合では、こんな歯も強くするはたらきがあります。

  • 歯ぐきが下がり、根元部分が露出した歯
  • 虫歯治療をしたことがある歯

子供はもちろん、大人の歯にも欠かせないのがフッ素なのです。

フッ素の効果:③虫歯菌の活動を抑制する

そもそもむし歯は、虫歯菌が生み出す酸が原因。なんとフッ素は、虫歯菌が酸を生み出さないよう活動を抑えることができるのです!

虫歯菌は、糖を分解するのに酵素(エノラーゼなど)が必要。フッ素は、この酵素のはたらきを邪魔し、虫歯菌の活動を弱めます結果、口の中で酸が作られにくくなり、むし歯予防につながるのです。

つまりフッ素は、2つのアプローチでむし歯予防する優秀な成分!

  • 歯に直接はたらきかける=歯質強化、再石灰化による初期虫歯の修復
  • お口の環境にはたらきかける=酵素の働きを阻害、虫歯菌が酸を作りにくくする

乳歯が生え始めたらすぐにフッ素塗布を始めるべき?生えそろってからの方がいい?いつまで続けるべき?など、気になる点を次の項目でチェックしていきましょう。

年齢別のフッ素塗布を先に知りたい方は、こちらにジャンプしてください。

フッ素をうまく活用して子供の歯を守る!年齢別フッ素塗布方法

子供のフッ素塗布はいつからいつまで?フッ素を取り入れるタイミングと頻度

フッ素塗布は、大人でも子供でも、年齢を問わずに受けられる予防歯科メニュー。しかし特に活用してほしいのがお子様なのです。

なぜなら、乳歯や生えたばかりの永久歯が最もフッ素塗布の効果が高いから。

生えたばかりの歯はエナメル質がやわらかく虫歯になりやすい反面、フッ素を取り込みやすいのです。

つまり「乳歯がある程度生えそろうタイミングから始めて、永久歯が生えそろった後まで続ける」のが、強くてむし歯に負けない健康な歯を作るための理想。具体的には何歳ごろでしょうか?詳しく見ていきましょう。

フッ素塗布はいつからはじめる?おすすめの年齢

結論から言うと、フッ素塗布をはじめるおすすめの時期は1歳半ごろからです。

初めての乳歯が生えてくるのはおおよそ生後6か月頃。しかしまだ下の前歯が2本生えてくる程度で食べ物を噛むこともできないため、フッ素塗布は不要です。

ここから徐々に前歯が生えそろい始め、1歳半ごろまでに上下の前歯4本ずつ、合計8本になります。このタイミングが、フッ素塗布開始のおすすめ年齢

むし歯になりやすい年齢でもあるので、まずはこの時期をむし歯ゼロで乗り切ることを目指したいですね。

まだ上手にうがいができなくても、フッ素塗布は可能なので歯医者さんに相談してみてください。フッ素塗布開始にともない、かかりつけになるような歯医者さんを探しておくと安心です。

フッ素塗布は14~15歳程度までは続けたい

フッ素塗布は、永久歯が生えそろったあとの14〜15歳程度まで続けるのがおすすめ

生えたばかりの永久歯はまだ未完成な状態。唾液中のミネラルが取り込まれることで、強い歯に育っていきます。このころはフッ素塗布の効果が高いので、上手に活用してください。

フッ素塗布を活用しながらこの年齢までむし歯ゼロで乗り切れたら、むし歯になりにくい抵抗力の強い大人の歯になることが期待できますよ。

Q. フッ素塗布は大人にも有効?

A. もちろん有効です。

フッ素のむし歯予防効果に、年齢制限はありません。多くの歯磨き粉にフッ素が配合されているように、大人の歯にもフッ素塗布は有効です。

特に大人の場合は、「むし歯を治したところがまたむし歯になる」ことや、「歯茎が下がって歯の根元の弱い部分が露出し、むし歯になる」ことなどを防ぐ効果が期待できます。

フッ素塗布の頻度はどのくらいがベスト?

3ヶ月に1回を目安に、フッ素塗布を受けるのがおすすめです。

フッ素塗布はおおよそ3ヶ月〜半年程度効果が続くと言われていますが、一人一人の生活習慣、食生活、お口の状態などによって持続期間には多少の個人差があります。

フッ素塗布の一定の効果を得るためには、最低でも1年に2回以上、理想としては3ヶ月に1回定期的に行うのがおすすめ。さらに、お家でのフッ素ケアも併用することが望ましいです。

フッ素塗布に関するよくある誤解

フッ素の塗布については、このような誤解がよく聞かれます。正しく知って、効果的にフッ素を活用しましょう。

歯科医院でのフッ素塗布は1回で効果ある?

A. 歯科医院でのフッ素塗布は医療機関専用でフッ素濃度が高く、家庭でのフッ素ケアに比べて持続した虫歯予防効果が期待できます。

しかし、たった1回の塗布では虫歯予防に対する高い効果は期待できません。

フッ素を活用したお子様の虫歯予防には、適切な頻度でフッ素塗布を続けることが大切です。

歯科医院でフッ素塗布すればむし歯にならない?

A. フッ素塗布は虫歯予防に非常に有効ではあるものの、あくまで1つの手段。フッ素塗布をしても、日常の歯みがきなどのケアを怠っていては虫歯になってしまいます。

歯科医院で定期的にフッ素塗布を受けつつ、これらのことも意識して行いましょう。

  • 正しい歯磨きやデンタルフロスの併用などのセルフケア
  • 仕上げ磨きの習慣化
  • ダラダラ食べをやめる、砂糖の多いおやつを減らすなどの食生活の改善
  • 歯科医院での専門的な歯のクリーニング(PMTC)

子供の正しい歯みがきの仕方を知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。

仕上げ磨きのコツを知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。

「3ヶ月に1回って、結構頻度が高めなのね。うちの子はまだ2歳だから、頻繁に必要なら簡単な方法があるといいな…」
「クリニックで塗布する場合の料金は、どのくらい?保険適用になる?」
などの疑問もありますよね。

では次の項目で、具体的なフッ素の塗布方法や種類、料金をご紹介します。

【フッ素の塗布方法】歯科医院でかかる料金や注意点は?

フッ素を歯の健康に活用するには、歯科医院での「フッ素塗布」ご家庭での「フッ素ケア」の2つの方法があります。

歯科医院でフッ素塗布をしていれば安心!というわけではなく、あくまで虫歯予防の基本は「歯みがきによる歯垢の除去=プラークコントロール」そのために大切なのが、お家で歯みがきのついでにできる、フッ素配合の歯磨き粉や洗口液を使ったケアなのです。

定期的な歯科医院でのフッ素塗布と毎日のお家でのフッ素ケアを上手に並行し、続けていきましょう!

ここでは、まず歯科医院で行うフッ素塗布とはどんなものなのか、気になる料金や注意点をチェックしましょう。

歯科医院でのフッ素塗布ってどんなもの?

歯科医院でのフッ素塗布方法は主に以下のとおり。歯科医院により取り扱う薬剤等に違いがあるため、心配な場合は直接歯科医院に相談してみてください。

フッ素塗布に使用する薬剤や虫歯抑制率

家庭用のフッ素と比べ、高濃度のフッ化物溶液(液状・ジェル状・泡状)を、歯科医師・歯科衛生士が歯に直接塗布します。

使用するフッ素の薬剤フッ素濃度むし歯の抑制率(永久歯)
NaF:2%フッ化ナトリウム溶液9,000ppm20~40%
APF:酸性フッ素リン酸溶液 第1法12,300ppm20~50%
APF:酸性フッ素リン酸溶液 第2法9,000ppm20~50%
SnF2:8%フッ化スズ溶液19,400ppm20~50%
SnF2:4%フッ化スズ溶液9,700ppm20~50%
※日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会(編)「フッ化物局所応用実施マニュアル」2017を一部改変

むし歯の抑制率は、永久歯の場合は表のとおり。乳歯の場合、むし歯の抑制率はフッ素の薬剤の種類にかかわらず、34〜55%とされています。

フッ素塗布方法

フッ素を歯に塗るには、主にこれらの方法があります。歯科医院により採用している方法が異なるため、どの塗布方法を採用しているかは直接歯科医院に相談してみてください。

  • 綿球・綿棒法・・・小さな綿球、または綿棒にフッ素溶液を浸し、歯に塗布する
  • 歯ブラシ法・・・ジェル(ゲル)状のフッ素を歯ブラシにつけ、歯みがきするように歯に塗布する
  • トレー法・・・歯列型のトレーにジェルや泡状のフッ素を入れ、歯にかぶせて塗布する

※自社調べ

フッ素塗布後の注意点

フッ素塗布後は、こんなことに気を付けましょう。次のフッ素塗布の予約をしておくのもおすすめですよ。

  • 塗布後30分はうがいや飲食をしない
  • フッ素塗布時に口にたまった唾液は飲み込まず、吐き出す
  • フッ素塗布したからと安心せず、毎日の歯みがきもしっかり行う
  • 間食は時間を決め、だらだらと食べ続けるのはやめる

フッ素塗布の料金・相場

フッ素塗布は年齢(大人か子供か、乳歯か永久歯かなど)や、歯科医院によって費用に違いがあります。健康的な歯に行う場合、基本的には治療ではなく「予防」のため、自費診療(保険適用外)です

保健適用外とはいえ数万円という高額になるようなことはなく、おおむね500円~3,000円程度(※)。むし歯の治療を兼ねていた場合や、初期虫歯に対する塗布などは保険適用になるケースもあります。
※自社調べ

また、フッ素塗布だけでなく検診やクリーニング、歯みがき指導を同時に行う歯科医院も。費用の詳細や内容については、直接歯科医院に相談してみてくださいね。

フッ素塗布に「シーラント」をプラスして虫歯予防強化

お子様のむし歯予防のため、フッ素塗布との併用をおすすめしたいのが「シーラント」です。シーラントとは、特にむし歯になりやすい奥歯の溝を、あらかじめ歯科用プラスチックで埋めてしまう処置のこと。

特にむし歯になりやすいのはこんな歯です。

  • 乳歯の奥歯
  • 生えたばかりの永久歯の奥歯

子供はまだ大人ほど歯みがきが上手にできないうえ、歯の生え変わりなどもあり、奥歯の溝に食べかすや歯垢がたまりやすくなります。その溝を最初にふさいでしまうことで、むし歯リスクが減らせるのです。

シーラントは、乳歯や生えたての永久歯ならば保険適用が可能。3割負担の場合で、歯1本につき処置費用はおおよそ400~600円程度(※)です。
※自社調べ

シーラントに使う歯科用プラスチックにはフッ素が配合されているため、歯を強くするはたらきも期待できますよ。

一方で、シーラントが取れてしまったり、一部が欠けて隙間から食べかすが入ってしまうこともあるため、定期的なメンテナンスが大切です。

自宅でできるフッ素を使ったケア方法

歯科クリニックでのフッ素塗布は高い効果が期待できますが、やはり虫歯予防の基本は歯みがきをメインとしたセルフケアです。

セルフケアに使用する歯磨き粉や洗口液に含まれるフッ素は、歯科クリニックと比較して濃度は低いものの、毎日使い続けられることが大きなメリット

歯科クリニックでのフッ素塗布と併用して、さらに強くてむし歯に負けない歯を目指しましょう!

フッ素配合の歯みがき粉(歯磨き粉)の効果的な使い方

毎日の歯みがきで使える「歯磨き粉」をフッ素配合のものにすれば、手軽なフッ素ケアが可能。

まだうがいができない小さなお子様、ペーストタイプだとかたまりを飲み込んでしまう恐れがあるため、スプレーや泡タイプの歯磨き粉がおすすめです。

子供の正しい歯の磨き方を知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてくださいね。

乳歯時期のお子様はこちら。

【年齢別】フッ素濃度と歯磨き粉の使用量

お子様の年齢別に、以下のようなフッ素濃度や歯磨き粉の使用量が推奨されています。

大人の方もぜひ参考にしてくださいね。

フッ素配合の歯磨き粉の使用については団体によって見解が異なりますが、歯が萌出したらすぐ使い始めることが効果的と言われています。

年齢使用量歯磨き粉のフッ素濃度注意事項
6ヶ月(歯の生え始め)~2歳切った爪程度の少量※500ppm
(泡状の歯磨き粉の場合は1,000ppm未満)
保護者が仕上げ磨きの時に使いましょう。
3~5歳5mm以下500ppm
(泡状歯磨き粉、またはフッ素の種類がモノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)であれば1,000ppm未満)
夜寝る前が効果的です。
歯みがき後5〜10mlの水で1回程度うがいをしましょう。
6~14歳1cm程度1.000ppm夜寝る前が効果的です。
歯みがき後10〜15mlの水で1回程度うがいをしましょう。
15歳以上~成人1~2cm程度(約1g)1,000~1,500ppm夜寝る前が効果的です。
歯みがき後10〜15mlの水で1回程度うがいをしましょう。
※使用量はペースト状の歯磨き粉を想定
※爪は子どもの爪を想定
※日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会(編)「フッ化物局所応用実施マニュアル」2017を一部改変

フッ素配合の歯磨き粉の使用手順とポイント

フッ素配合の歯磨き粉は、すべての歯にまんべんなくいきわたらせることが重要です。

  1. 年齢に沿った使用量の歯磨き粉を歯ブラシにつける
  2. 歯磨き粉を歯列全体に塗り広げる(まだ磨かない)
  3. 2~3分間ていねいに歯を磨く
  4. 口に残った泡や歯磨き粉を吐き出す
  5. 上の表を参照し、年齢に応じて5~15mlの水を口に含み、5秒程度1回だけうがいをする

フッ素はお口の中にとどまり、唾液と混ざって効果を発揮します。

何度もうがいをしたり、大量の水でうがいをしたりすると、せっかくのフッ素がお口に残りません。3~5歳は5~10ml、6歳以上は10~15mlの少量の水で、1回だけのうがいが効果的ですよ。

「食べかすが気になるから、うがいはしっかりやりたい」という方は、1回目の歯みがきでうがいをしっかり行い、2回目はフッ素を塗り広げるだけにして1回だけうがいをする「ダブルブラッシング法」がおすすめです。

フッ素は危険!?確認しておきたいリスク・デメリット

「フッ素って体に悪いって聞いたから、フッ素塗布に抵抗がある…。」

いえ、実はこれ大きな誤解なんです。

まず、強い毒性のあるフッ素単体(気体であり、自然界には存在しない)や、フライパンなどのフッ素コーティングに使うフッ素は、むし歯予防に使うフッ素(フッ化物)とは全くの別物です。

虫歯予防に使うフッ素で問題となる可能性があるのは、フッ素を大量に摂取することによる「フッ素中毒」です。フッ素中毒には急性中毒と慢性中毒があります。

慢性中毒は、海外など生活用水にフッ素が添加されている場合に起こり得るリスクであり、日本で普通に生活している限り慢性中毒の可能性はきわめて低いと言えるでしょう。

急性中毒は、以下のような大量のフッ素を一度に摂取した場合に起こり得ます。

フッ素中毒(フッ素症)のめやす

  • 3歳児(体重12kg):フッ素塗布剤1回分(2ml)×4人分を一度に摂取した場合
  • 5歳児(体重18kg):フッ素入り洗口液を一度に40人分飲んだ場合

いずれも事故や意図的な摂取がないと、中毒を起こすことはありません。

フッ素配合の洗口液は誤って飲んでしまわないよう、お子様の手の届かない場所に保管してください。お子様が歯を磨く時は見守っていてあげると、さらに安心ですね。

フッ素塗布を効果的に活用してお子様の虫歯予防を!

むし歯予防には、歯科医院でのフッ素塗布と自宅でのフッ素ケア、どちらも上手に活用して、お子様の「生えたての歯」を守ってあげることが重要です。

フッ素塗布後もオーラルケアを徹底して、まずは1歳ごろの生えたての乳歯にむし歯ができないことを目指しましょう!

15歳ごろまでむし歯ゼロが維持できたら、かなり虫歯への抵抗力がある大人の歯に育った証拠。そのままむし歯ゼロキープを目指したいですね。

お子様のフッ素塗布のついでに、パパさんママさんも歯科医院でフッ素塗布や定期検診を受けるのがおすすめ。

保護者の方や家族にむし歯があると、お子様への虫歯菌感染リスクも上がります。

一度穴があくほどむし歯になったら、歯は二度と元には戻りません。予防がとても大切です。

家族みんなでフッ素を活用し、健康な歯を保ちましょう。

※本記事は2024年4月時点での公式情報を元に編集したものです。最新の情報とは異なる可能性がありますので、ご注意ください。
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