News お知らせ
キレイライン矯正における咬み合わせへの対応について
※2020年2月に公開したお知らせをアップデートし、再度公開させていただきます。
キレイライン矯正では、咬み合わせについても考慮したデザインを行っております。
しかしながら、咬み合わせの不具合が生じる可能性はゼロではありません。
マウスピース矯正による咬み合わせの悪化は、以下の3つが主な原因となります。
① 矯正中に、移動途中の歯が他の歯に当たって深く噛めなくなる。
② マウスピースの厚みによって、臼歯(奥歯)が圧下する。特に咬み締めが強い方で起こりやすく、歯茎方向に力が加わるために、マウスピースの厚み分、歯が歯茎側へ沈み込むことがあります。
③ 部分的に歯の動きが良い/悪いなどの個人差や、咬み合わせの癖により、上下の歯のバランスがずれてしまう。
①についてはキレイラインに限らず、ワイヤー矯正、他のマウスピース矯正などすべての矯正治療で起こる一時的な咬み合わせの悪化で、治療が進めば解消される一時的なものです。
②の症状は、ワイヤー矯正で起こることはない、マウスピース矯正特有の好ましくない歯の移動です。キレイラインに限らず、すべてのマウスピース矯正で発生します。
症状が認められた場合、マウスピースの厚みを薄く調整する、マウスピースの臼歯部を一時的に切り落とすなどの調整をおこないます。
③については、ワイヤー矯正、マウスピース矯正問わず、拡大床(歯のアーチの幅を平均値まで広げるため、歯科医師の診断のもと使用する治療装置)を使用した場合などに生じることがあります。
キレイラインでは、歯が外側に倒れるように広がってしまうのを防ぐため、マウスピースと拡大床を併用します。しかし歯の動きは個人差が大きく、患者様の中には治療の過程で、上下のバランスが合わなくなってしまう方がいらっしゃいます。この場合は前歯を並べる通常の治療に加え、臼歯部の咬み合わせを整える治療もおこないます。
キレイラインの治療は、他人からよく見える前歯を整えることを主目的としていますが、当然のことながら、その為に咬み合わせを代償とするデザインはおこないません。
また、患者様がご予算や自分の納得できる歯列に合わせて治療終了を決定できるシステムとなっておりますが、咬み合わせに不具合が残ったまま治療途中の状態で終了(リテーナー開始)はお勧めしておりません。場合によってはリテーナーの開始をお断りする場合もございます。
「咬み合わせ悪化」や「患者様の基準で治療を終了する事によるリスク」の軽減のため、抜歯や健康な歯を削ることは必要最低限にとどめ、健康を害することのないよう治療を行っております。咬み合わせや治療終了のタイミングについて不安を感じられる場合は、通院中のクリニック、および歯科医師にご相談ください。
なお、キレイラインでは、もともとの咬み合わせが悪く「積極的な臼歯部の咬み合わせ治療」が必要な患者様には、ワイヤー矯正とのコンビネーション治療など、全顎矯正治療(臼歯部を含む全ての歯を動かす矯正治療)をお勧めしております。
キレイライン矯正で使用するマウスピースについて
キレイラインは前歯を整えることを主目的としておりますが、これはキレイラインで全顎矯正治療(臼歯部を含む全ての歯を動かす矯正治療)が不可能であることを意味しません。キレイラインでも回数を重ねれば、全顎矯正治療は可能です。
弊社のプログラムでは、日本の歯科医師とマウスピースのデザイン経験が豊富な歯科技工士が画像診断し、歯根の形状や長さ・顎骨の密度なども参考にしてデザインを行うことにより、精密な治療を可能にしています。
しかしながら、キレイライン矯正が前歯を整えることを主目的としているのは、50回、60回と回数を重ね、長期間かけてマウスピース単独で全顎矯正治療を行うメリットが少ないと考えているためです。
マウスピース治療単独での全顎矯正治療を否定するわけでは決してなく、そういったニーズをお持ちの患者様がいらっしゃることは承知しております。そして何より、マウスピース矯正の歴史を切り拓き、発展させてきた企業様と歯科医師の先生方には、大変敬意を持っております。
一方で、ワイヤー矯正は、長い歴史をかけて進化してきた、素晴らしい治療法であることも事実です。その歴史の中で、新しい治療法として裏側ワイヤー矯正や、マウスピース矯正が登場してきました。マウスピース矯正には患者様にとって革新的なメリットも多くありますが、すべての面でワイヤー矯正より優れているわけでは決してありません。
ワイヤー矯正が得意な部分はワイヤー矯正を併用した方が、特にスピードの面で、遥かに患者様にとってのメリットが大きいと考えます。
そういった観点から、症状の軽い方や、子供の頃にワイヤー矯正を行い、大人になって歯並びが少し後戻りしている、予算に限りがあるのでその中で治療を行いたい方には、キレイライン単独で、短期間で終了する治療をお勧めしております。
また、症状の強い方には、キレイラインとワイヤーとのコンビネーション治療で、治療費を抑え、ワイヤーが目立つ時期を減らすことができます。
つまり、手術が必要な症例などを除き、キレイラインはほとんどの症例に適応が可能となります。
≪※キレイラインのみで、低価格で全ての症例を治療できるわけではありません。≫
弊社では、今後、世界的にコンビネーション治療が主流になっていくと予想し、ワイヤー矯正も含めたデザインシステムの研究を続けております。
日本の歯科受診率、特に矯正を行う人の率を先進国の水準に引き上げ、世界水準以上の治療を提供できるよう各提携クリニック様と努力を続けることが弊社の義務と考えております。
ワイヤー矯正が主流だった時代にマウスピース矯正が登場したように、弊社はキレイラインを通して新しい考え方を、患者様の新たな選択肢として提供してまいります。
まだまだ足りない面が多く、お叱りを受ける事も多数ございますが、サービス開始以来、皆様のご意見を頂戴しながら改善の努力を続けております。
今回の見解のアップデートまで咬み合わせに対応する治療方針について詳しくご説明する場がなく、不安に思われていた患者様方に深くお詫び申し上げます。
今回の発表が、キレイライン矯正を受けられている方だけでなく、ワイヤー矯正や他社のマウスピース矯正を受けられている方におかれましても、安心いただける情報となれば幸いです。
どのような矯正歯科治療法であっても、歯並びの改善が患者様の健康面・整容面で幸せにつながり、周囲の方がその喜びを目の当たりにし、より多くの方が矯正歯科治療を行う世の中が来ることを願っております。
現在治療中の患者様で、ご不明点やご不安が残る場合は、通院中のクリニック様までお問い合わせください。
キレイライン矯正
support@kireilign.com