キレイライン公式ブログ担当の小田です。
「歯列矯正では、抜歯をかならずしなければならないのでは？」
と不安に思う方もいますよね。
結論からいうと、歯列矯正では抜歯がかならず必要なわけではありません。
抜歯が必要な矯正と非抜歯でも治療可能な矯正があり、そのどちらで治療できるのかはお口の中の状態によって変わってきます。
今回は歯列矯正と抜歯について詳しく説明するので、
「なぜ抜歯が必要なの？」「何本抜くの？」
「どんなケースなら抜歯しなくていいの？」
など、歯列矯正の抜歯が気になる方はぜひご覧ください。
なんで抜歯しないとダメなの？歯列矯正で抜歯が必要となるケース
「なるべく抜歯はしないで歯列矯正をしたい」
と考えている方にとっては、抜歯しないといけない理由はとても気になる部分ですよね。
実はすべての歯列矯正で抜歯が必要なわけではありません。
ここでは抜歯が必要になるケースや、その理由について詳しく解説していきます。
とくに、抜歯についてマイナスなイメージが大きい方はぜひご覧くださいね。
①歯の大きさに対して顎が小さい場合
歯の大きさに対して顎が小さいと、歯が歯列のアーチにうまくおさまりません。
そのため、歯と歯が重なったりデコボコしたりして歯並びが悪くなります。
このように、歯の大きさに対して顎が小さいケースでは、歯を並べるスペースを確保するために抜歯が必要となるのです。
お口の中の状態によっては、抜歯以外の方法でスペースを確保できる可能性もありますが、症状が強い場合は難しいこともあります。
必要なスペースは精密検査から判断します。
歯並びをキレイにしていくのに、どのくらいのスペースが必要なのか、抜歯が必須なのかどうかは歯科医師から説明を受けてくださいね。
②上下の前歯が前方に傾いている場合
噛み合わせにさほど問題がなくても、上下の歯が前に傾いて見た目が気になるケースがあります。
これは「上下顎前突（じょうげがくぜんとつ）」と呼ばれる症状です。
口元全体が出ている、いわゆる「口ゴボ」の原因にもなります。
上下顎前突では、前に傾いている上下の前歯を内側に並べるスペースを作るために、抜歯が必要なケースが多いです。
③抜歯矯正しないと横顔のバランスが崩れる場合
抜歯をせずにスペースが不十分な状態で無理に歯を並べようとすると、歯が収まりきらずに口ゴボになり「Eライン」が崩れる可能性があります。
Eライン（エステティックライン）とは、鼻の先端と下顎の先をむすんだラインのことです。
唇がEラインよりも少し内側にあることが美しい横顔といわれています。
歯列がきれいになったとしても、口元全体の印象が悪くなってしまうのは避けたいですよね。
そのようなケースでは、横顔のキレイを目指すために抜歯をすすめられることがあります。
④上下の嚙み合わせがズレている場合
上下の噛み合わせが前方、もしくは後方へずれた出っ歯や受け口といった不正咬合の場合、抜歯をして作ったスペースを利用して歯列のアーチを整えていきます。
顎の骨格が原因で噛み合わせがずれているときには、外科手術をともなう歯列矯正が必要ですが、歯のずれが原因の場合、抜歯をおこない歯を大きく移動するスペースが確保できれば外科手術を避けられる可能性もあります。
外科手術をおこなうと2週間ほどの入院が必要で身体にも負担がかかるため、日帰りで済む抜歯矯正は、心身共に患者さまの負担が減るのが大きなメリットです。
⑤ 親知らずが歯並びを悪くする原因になっている場合
親知らずが横向きや斜めに生えていると、他の歯を押して思わぬ方向へ移動させ、歯並びを悪くさせる原因になることがあります。
レントゲン写真を見るまで患者さま自身が気づいていないケースや、まだ生えてきていない親知らずが歯の根っこ部分を押してしまっているケースも。
この場合、親知らずをそのままにした状態で歯列矯正をおこなっても、逆に歯並びが悪くなることがあります。
そのため、横向きや斜めに生えてしまっている親知らずは、抜歯が必要な可能性があるのです。
抜歯あり・抜歯なしで行う歯列矯正のメリット・デメリット
抜歯あり・抜歯なしの歯列矯正にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
どんなメリット・デメリットがあるのかを確認し、どちらの治療をしたいか歯科医師とよく相談してくださいね。
ただし、お口の中の状態によっては希望の治療法を選択できないこともあります。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 抜歯矯正 | ・ 歯を移動させるためのスペースをしっかり確保できるため、思った通りに歯を並べられる可能性が高くなる ・ 難しい症例（歯並び）でも矯正をおこないやすくなる ・ 治療計画が立てやすくなる ・ 口元のバランスがよくなり、横顔がきれいになる可能性が高まる | ・ 健康な歯を抜くことになる ・ 抜歯後は腫れや痛みがでやすくなる ・ 治療期間が長くなる可能性がある ・ 抜歯後はしばらく隙間ができてしまう |
| 非抜歯矯正 | ・ 歯を移動させるためのスペースをしっかり確保できるため、思った通りに歯を並べられる可能性が高くなる ・ 難しい症例（歯並び）でも矯正をおこないやすくなる ・ 治療計画が立てやすくなる ・ 口元のバランスがよくなり、横顔がきれいになる可能性が高まる | ・ 治療できる歯並びの症状が限定されてしまう ・ 無理に行うとスペース不足で口元がでて、Eラインが崩れる可能性がある ・ 無理に行うと後戻りを起こしやすくなる可能性がある |
抜歯矯正の大きなメリットは、歯列のアーチをキレイに整えるためのスペースをしっかり確保できるところです。
無理なく歯を並べることができるため、前歯を突出させずに横顔のキレイも目指せます。
ただし、むし歯や歯周病もなく健康な歯を抜くのはためらう方も多いでしょう。
その点、非抜歯矯正は健康な歯を抜かずに治療できるのがメリットです。
反対にデメリットは、歯列のアーチをキレイに整えるためのスペースが足りない状態で無理に治療を行うと、口元が突出してしまう可能性があるところでしょう。
自分の症状がどちらに適しているのか、クリニックでしっかり相談することが大切です。
歯列矯正で抜歯するのはどの歯？何本抜く？費用やタイミングも解説
歯列矯正では、むし歯や歯周病といった疾患がある歯ではなく健康な歯を抜きます。
これを「便宜抜歯（べんぎばっし）」といい、自由診療となるためクリニックによって費用は変わります。
「便宜抜歯が必要な場合があって自由診療なのはわかったけど、どこを何本抜くの？費用は？」
と疑問に思っているあなたのために、表をもとに詳しく解説していきます。
| 矯正抜歯をする部分 | 第一小臼歯または第二小臼歯 （真ん中から4番目または5番目の歯） |
| 矯正抜歯する本数 | 4本～8本 （親知らずを含む） |
| 矯正抜歯の費用 | 抜歯1本につき5,000円～15,000円くらい （クリニックによって異なる） |
抜歯矯正の場所・本数・費用
抜歯矯正をおこなうとスペースを確保しやすくなりますが、健康な歯を抜くのだから慎重になってしまいますよね。
ここでは抜歯矯正をするときに一般的によくおこなわれている箇所や費用について詳しく説明するので、ぜひご覧になって納得してから抜歯をおこなってください。
抜歯する歯は前から4番目もしくは5番目が一般的
抜歯する歯は、前から4番目の第一小臼歯または5番目の第二小臼歯が多いです。
この2箇所の歯は比較的抜歯しやすく歯の機能面に影響が少ない、また、抜いたあとに腫れや痛みがでにくいといわれているからです。
親知らずが歯列矯正に影響がでそうなときは、親知らずを抜歯するケースもあります。
抜歯本数は噛み合わせや歯列の状態によって異なる
上下左右で前から4番目、もしくは5番目を抜歯する場合は合計で4本ですが、お口の中の状態によって抜歯する本数は変わってきます。
歯をキレイに並べるために必要なスペースによっては、4本以下の抜歯で済むケースもありますし、逆に歯列矯正に影響がある親知らずを含めて4～8本抜く可能性もあります。
抜歯にかかる費用
歯列矯正で便宜抜歯をおこなうときには、保険が適用されないため自由診療となります。
抜歯1本あたり5,000円～15,000円のクリニックが多いです。
詳しくは通院しているクリニックへ直接お問い合わせくださいね。
いつ抜くの？歯列矯正の抜歯タイミング
「抜歯は緊張するから、どのタイミングでするのか知っておきたい！」
という方もいますよね。じつは歯列矯正で抜歯するタイミングは症状やクリニックによってさまざまなため、「このときです」と断定するのが難しいのです。
矯正装置をつける前に抜歯をおこなって、事前に歯を並べるスペースを確保するケースもあれば、矯正治療をはじめて少し歯を移動させて抜きやすくしてから抜歯するケースもあります。
抜歯するタイミングはお口の中の状態によって変わるため、ご自身の抜歯のタイミングを知りたいときには担当の歯科医師とご相談ください。
痛い？痛くない！？矯正抜歯（便宜抜歯）の痛み
「抜歯をしない場合、どうやって歯列矯正するの？」
「できれば歯を抜きたくないなぁ」
という方に向けて、非抜歯矯正のときは抜歯のかわりにどのような処置をして歯を並べるのか説明していきます。
ただし、症状によっては抜歯をしないと歯列矯正が難しいケースもあるのを念頭に置いておいてくださいね。
歯並びの症状によっては抜歯なしで治療が可能
症状の軽いすきっ歯などであれば、非抜歯矯正が可能なことがあります。
スペース不足で起こるデコボコの歯並びと違い、すきっ歯は今あるすき間を閉じていくイメージとなります。
そのため、抜歯をして歯を並べるスペースを確保する必要がないのです。
また、デコボコなどの症状が軽度な場合も、抜歯の代わりとなる治療を行うことによって、抜歯なしで治療可能なこともあります。
抜歯の代わりに別の治療が必要になることもある
抜歯の代わりに、歯と歯の間を削ってスペースを確保する「IPR」という方法があります。
IPRは健康な歯を削るため、心配になる方もいるかもしれませんが、歯の健康に配慮した程度しか削りません。
ほかには、「拡大床」といって歯列を広げる矯正装置を使用する方法もあります。
拡大床は、歯列のアーチを頬側へ広げることによって拡大し、歯を並べるスペースをつくるものです。
お口の中の状態にもよりますが、抜歯をおこなわなくてもこのように歯を並べるスペースをつくることは可能です。
非抜歯での矯正を希望しているあなたに、「健康な歯をなるべく抜かずに治療をする方針」のキレイライン矯正をご存じですか？
◆ 非抜歯矯正を考えている方は、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
まずは抜歯が必要か歯科医院で相談しましょう
抜歯をする歯列矯正には、歯を並べるためのスペースを十分にとれるというメリットがあります。
一方で、健康な歯を抜くことになるといったデメリットも。
もし非抜歯矯正を希望する場合には、IPRや拡大床といった別の治療方法を用いれば可能なこともありますが、お口の中の状態によっては、抜歯をしないとキレイな歯列を目指すのが難しい可能性もあります。
また、抜歯に対して「痛みが大きいのでは」といったマイナスなイメージがある方も多いでしょう。
しかし、抜歯時は麻酔をすることに加え、処置後も早めに痛み止めを服用することで落ち着いて過ごせる可能性が高いです。
心配なことは担当の歯科医師と相談して、納得のうえで抜歯矯正・非抜歯矯正を選択してくださいね。
※本記事は2023年10月時点での公式情報を元に編集したものです。最新の情報とは異なる可能性がありますので、ご注意ください。
