キレイライン公式ブログ担当の小田です。
抜歯後の歯みがきって緊張しますよね。
「痛そう」「こわい」「磨きにくそう」
多くの方はこんなイメージを持っているのではないでしょうか?
抜歯当日にはクリニックで注意点などを伝えられるかもしれませんが、できれば磨き方やケア方法などは事前に知っておきたいですよね。
そこで今回は、キレイライン矯正提携クリニックのアルディバラン渋谷デンタルクリニック・心斎橋DDデンタルクリニックの歯科衛生さんに、抜歯後の歯みがき方法や気をつけたいポイントを取材!
公式ブログ編集部がまとめました。
★ 取材にご協力いただいた歯科衛生さん ★
- アルディバラン渋谷デンタルクリニック
歯科衛生士 加藤さん - 心斎橋DDデンタルクリニック
歯科衛生士 寺岡さん
歯列矯正で抜歯をする方も、親知らずの抜歯をする方も、これを読めば抜歯後のお手入れがすべてわかりますよ!
抜歯後の歯みがき(歯磨き)は怖いし不安…普通に磨いていいの?
抜歯直後のお口の中はとてもデリケート。
「歯みがきして大丈夫?」
「いつも通りに磨いていいの?」
と不安になるかもしれませんね。
まずは抜歯当日から翌日にかけての、歯みがきのポイントについて紹介します。
抜歯した部分を避けていつも通り磨いてOK
歯みがきは抜歯当日からできます。
ただし、麻酔がまだ残っている状態で歯みがきをしてはいけません。
なぜなら、口内の感覚が麻痺した状態で歯みがきをしようとすると、必要以上に力を入れてゴシゴシ磨いて歯ぐきや傷口を傷つけてしまうリスクがあるからです。
局所麻酔の効果は約2〜3時間ほど持続します。
歯みがき前には麻酔の効果が残っていないか確認してくださいね。
!注意!
縫合した場合は、歯ブラシが縫った糸に引っかかってしまう可能性があります。
抜歯後はいつもの歯ブラシと歯磨き粉で普通に歯みがきができますが、抜歯跡に歯ブラシの毛先が引っかかってしまわないようにじゅうぶんに注意しましょう。
もし歯ブラシが当たって傷ついたり、縫合した糸が取れてしまったりした場合は、抜歯したクリニックに相談してくださいね。
抜歯当日のうがいはできる限り控えよう
抜歯当日はうがいにも注意が必要です。
抜歯直後で歯みがきがしにくいと、「うがいだけでもちゃんとしておこう」と思いがちですが、実は何回も口をゆすいだり、強くうがいをしたりするのはNGです!
抜歯跡には「血餅(けっぺい)」という血の塊ができて、かさぶたのように傷口を細菌から守る働きをしています。
ところが血の塊や食べかすなどが気になって強くうがいをしてしまうと、せっかく固まりかけた血餅が洗い流されてしまい、細菌感染してしまうことがあります。
これを「ドライソケット」といいますが、痛みが長く続いたり、抜歯したところから嫌な匂いがしたりといった症状が現れます。
ドライソケットになると、治療のために通院の手間や費用もかかってしまうので、抜歯後に血の塊や食べかすなどが気になっても、強くうがいをして血餅が取れてしまわないように注意してくださいね。
point!
うがいをするときは、抜歯初日は水を口に含んでから吐き出す程度にしておきます。
2日目からは優しくうがいができるようになりますし、クリニックでうがい薬を処方されている場合はうがい薬を使うこともできます。
出血が気になった場合は、清潔なガーゼを患部にあてて10~20分程度噛んでおくと、止血に効果的ですよ。
抜歯跡に食べかすが詰まってしまったときの対処法は、こちらで紹介しています。
ポイントを紹介!抜歯後の歯みがき(歯磨き)方法【親知らず・歯列矯正】
「歯列矯正のための抜歯」と「親知らずの抜歯」、いずれの場合も、基本的には抜歯部位を避ければ、いつも通りに歯磨き粉を使用して歯みがきができます。
ただし、次の点には注意が必要です。
- 抜歯した部分の周辺の歯は優しく磨く
- 抜歯した部分に当たらないように磨く
- 強いうがいは避ける・何度もうがいしない
また、抜歯部位周辺の歯みがき方法は、「歯列矯正のための抜歯」と「親知らずの抜歯」では、抜く歯が異なるため、歯みがきのポイントも異なります。
✓ 歯列矯正のための抜歯
歯列矯正のために抜歯をした場合は、基本的には通常の歯ブラシでOKです。
しかし、矯正歯科治療で歯が移動し始めると、抜歯後にできたスペースが徐々に閉じてきます。
隙間が大きい最初のうちはタフトブラシで磨くようにし、隙間が閉じてきたら歯間ブラシなどに切り替えていくと磨きやすいですよ。
✓ 親知らずの抜歯
親知らずは、斜めに生えていたり歯根が曲がっていたりすることも珍しくなく、一般的に、抜歯後は痛みや腫れが出やすいといわれています。
また、縫合した部分に刺激を与えないように注意する必要があるため、やわらかい歯ブラシや隙間を磨きやすいタフトブラシを使うのがおすすめです。
抜歯後の磨きづらい口内を清潔に保つにはどうしたらいい?
抜歯後の口内はとてもデリケート。
ゴシゴシ磨くことはできなくても、丁寧な口腔ケアでお口の中の清潔を保つことができますよ。
ここでは、簡単にできるセルフケアのポイントを紹介していきます。
マウスウォッシュを併用してうがいする
抜歯後は患部に歯ブラシの毛先が当たらないように注意する必要があるため、細菌繁殖が気になると思います。
歯みがきをしても「あまりキレイになった気がしない」と感じるかもしれませんが、マウスウォッシュを併用すると、むし歯や歯周病、出血などの予防に効果的ですよ。
マウスウォッシュは商品によって配合されている成分が異なるので、どのような効果があるのか、成分をチェックして購入するとよいでしょう。
また、クリニックによっては、抜歯後にうがい薬を処方するところもあります。
うがい薬を処方された場合は、かならず指示された通りに使ってくださいね。
抜歯窩(抜歯後の穴)の食べかすを取り除く
抜歯した後は歯ぐきに穴が開いた状態になっています。
穴が開いていると食べかすが詰まりやすく、細菌が繁殖して炎症の原因ともなるため、食後はしっかりと食べかすを取り除きたいところです。
しかし、抜歯後は強いうがいは禁物です。
タフトブラシやそっと口をすすいだだけでは、食べかすが取れないこともあるかもしれません。
もし食べかすが入ったままになってしまっても、抜歯窩に食べかすが埋まってしまうことはないのですが、どうしても気になる場合は、「ウォーターピック」を利用する方法があります。
「ウォーターピック」とは?
ウォーターピックとは、小型の口腔洗浄器で、ノズルから出た水の水圧で口の中を洗う家電製品。
歯ブラシが届きにくいところもお手入れしやすいので、気になる方はひとつ用意しておくと便利ですよ。
口内を傷つけやすい食事にも注意!
抜歯後は食事にも注意が必要です。
とくに、硬い食べ物やとがった食べ物は、抜歯した後の穴(抜歯窩)を傷つけ、炎症の原因となる可能性があります。
抜歯後はなるべくやわらかく、口の中を傷つけにくい食べ物がおすすめ。
◆ こちらの記事で抜歯後のおすすめメニューや避けたい食べ物などを紹介しているので、ぜひ読んでみてくださいね。
ジェルタイプの歯磨き粉を使う
抜歯後はいつも使っている歯磨き粉を使って歯みがきができます。
しかし、ジェルタイプの歯磨き粉を使うことで得られるメリットもありますよ。
一般的に使われているペーストタイプの歯磨き粉には研磨剤や発泡剤が配合されていますが、ジェルタイプの歯磨き粉にはこれらは配合されていません。
研磨剤は歯をキレイに磨き上げる効果があるのですが、抜歯後は口の中を傷つけてしまう心配があります。
発泡剤は泡立ちをよくして歯磨き粉を行き渡らせる効果がありますが、口の中が泡だらけになってしまうため、時間をかけて丁寧に磨くことが難しかったり、何度もうがいをして出血したりする可能性があります。
ジェルタイプの歯磨き粉であれば、時間をかけて磨きながら薬用成分を全体にいきわたらせることができ、うがいの回数も少なくすませることができますよ。
やさしい歯みがき(歯磨き)で抜歯後のお口をキレイに保とう
抜歯後のデリケートな状態で歯みがきをしていいのか不安に思うかもしれませんが、基本的には抜歯当日でもいつもと同じように歯みがきをすることが可能です。
ただし、当日は麻酔が完全に切れてから歯磨きをすることと、縫合した部分に歯ブラシが引っかからないように気を付けることが大事です。
また、抜歯跡には「血餅(けっぺい)」という傷口を守るかさぶたができるので、強くうがいをするのはNGです。
歯みがきをするときは、抜歯の状態に合わせて次のポイントにも注目してみましょう。
✓ 歯列矯正のための抜歯
歯列矯正のために抜歯をした場合は、抜歯でできた隙間の大きさに合わせて、タフトブラシや歯間ブラシを使っていくと歯みがきがしやすくなります。
✓ 親知らずの抜歯
親知らずは抜歯後に痛みや腫れが出やすく、とにかく刺激を与えないように磨くことが大事です。やわらかい歯ブラシやタフトブラシを使うのがおすすめですよ。
このほか、より丁寧にお口のケアをするために、歯みがきと併行してマウスウォッシュやウォーターピック、ジェルタイプの歯磨き粉などを使うと便利です。
これから抜歯予定の方も、抜歯をしたばかりの方も、ぜひやさしい歯みがきで抜歯後のお口をいたわりながらケアしてあげてくださいね。
※本記事は2023年9月時点での公式情報を元に編集したものです。最新の情報とは異なる可能性がありますので、ご注意ください。